2010 Fiscal Year Annual Research Report
紫外光を用いた高分解能カー効果顕微鏡によるナノ磁性ドットの超高速動磁化反転機構
Project/Area Number |
21760261
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹澤 昌晃 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (20312671)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 電子・電気材料 / 磁性 / 磁区観察 / Kerr効果顕微鏡 / 動磁区 |
Research Abstract |
本研究の目的は、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)素子の高速磁化反転機構やマイクロインダクタの高周波磁気特性をミクロな観点から解明するために、紫外光源および高速トリガ制御CCDカメラを用いた「80nmの空間分解能と5nsの高速応答」を有する磁気Kerr効果顕微鏡による「高分解能・高速動磁区観察システム」を構築し、「ナノ磁性ドットの高速磁化反転動作の磁区観察」を実現することである。 前年度に、高速シャッターを有するイメージインテンシファイア付きCCDカメラと紫外光源である水銀キセノン灯により構築した高空間分解能・動磁区観察システムを用いて、様々な種類・寸法・形状の高周波用磁性材料の磁化過程の様子を観察することで磁化反転の速度に加えて、磁区構造の寸法依存性を調べデバイス応用の際の最適な材料構成を把握した。また、磁区コントラストの低い磁性薄膜試料においては、1回当りの取り込み時間の短い高速動磁区観察で、観察像のSN比が低く不鮮明な観察しか行うことができなかったため顕微鏡の光学素子やさらなる光路の調整・改善を行った。 さらに、磁性材料の微細加工に伴う高速磁化反転の劣化を抑制する手法としての磁区構造制御法として、形状変化による異方性制御・磁壁ピンニングの導入を行い、これが磁化反転の際にどのように動作するかを調べることで、微細磁性体素子における寸法・形状の最適化に関する知見を得ることができた。
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