2010 Fiscal Year Annual Research Report
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21760263
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
岸原 充佳 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (50336905)
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Keywords | ミリ波 / 導波管 / 放射光 / 放射光エッチング / マイクロデバイス / スパッタ蒸着 / 導波管フィルタ / 導波管カプラ |
Research Abstract |
1.本研究では,放射光によるテフロンの微細加工と表面への金属の蒸着を通して,ミリ波(30GHz~)やそれ以上のサブミリ波領域(300GHz~)での応用が可能な導波路および受動回路素子を構成する技術の開発を試みている.22年度は,ミリ波のQバンド(33-50GHz)および比較的周波数が高いVバンド(50-75GHz)を中心とする回路サイズで,アイリス結合バンドパスフィルタおよび空気領域ポストを持つ十字形3dB方向性結合器の放射光直接エッチングとAuスパッタ・電解メッキを行った. 2.特に,空気領域ポストを持つ十字形3dB方向性結合器は,導波路内の一部のテフロンをくり抜いて空気領域を作成して,周囲と誘電率を反転させることで結合器の特性を実現するものであるが,これの周波数特性を測定することで,1dB程の分配差は見られるものの良好な特性が得られていることを確認した.1dB程の分配差は,空気領域の上下Au膜形成に使用したフィルム厚(69μm)により生じていることを電磁界シミュレーションの結果と比較することで明らかにした. 3.以上より,曲がりや整合素子が集積される複雑な形状のテフロン導波管機能回路についても本製作プロセスが有効であるという結論を得た.アイリス結合バンドパスフィルタや空気領域ポストを持つ十字形3dB方向性結合器を中心とする22年度の成果は,現在,英文論文誌へ投稿中である.空気領域を用いた結合器の成果は,IEEE IMS2011でも発表する.
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