2009 Fiscal Year Annual Research Report
ホログラフィによる像が浮き上がるディスプレイの広視域化
Project/Area Number |
21760265
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山口 健 Nihon University, 理工学部, 助手 (90434125)
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Keywords | ホログラフィ / 計算機合成ホログラム / フリンジプリンタ / 高解像度 / 実像再生 / 空間周波数 / 画素ピッチ |
Research Abstract |
本年度は,ディスプレイ面から像が浮き出すディスプレイの実現のため,出力装置の改良を行った。これにより,出力装置の画素ピッチを0.61μmから0.44μmに改善することができ,ホログラム面上での回折角を大きくすることに成功した。本研究において画素ピッチは,再生される像の大きさや計算可能な像の大きさに関係するため,出力装置を改良することで,より大きな像,広い視域を実現することができる。 出力するホログラムに関して,3つの光学モデルによる計算機合成ホログラムを生成しその特性を評価した。まず,参照光を点光源,平行光とする2種類のホログラムを作製した。これらのホログラムの計算に当り,これまで用いていた隠面処理手法を適用することができないため,新たな隠面処理手法を適用させた。ここで,隠面処理とはある視点からは物体の陰になって見えない部分を表示させない処理のことであり,本研究で作製するディスプレイによる再生像は全方向に視差があり広い視域を有するものを目指しているため,この処理が行われていないと像が欠けたり重なったりするため鮮明な像を観察することができなくなる。また,GPU(Graphics Processing Unit)を用いて計算を行うシステムを作製することで,1台のPCでも実用的な計算時間でホログラムの干渉縞を計算することができた。次に,計算時の参照光のパラメータと共役な参照光を用いて浮かび上がる像を再生する手法を行った。共役な参照光を作るためレンズを用いて像を再生した。 本年度はそれぞれの計算手法における再生像の鮮明さを比較するため,出力するホログラムの解像度を同じにして比較を行った。(230,400x228,960pixels)再生された像は参照光が平行光のときがもっとも鮮明に再生された。これは次年度実施予定である広視域化のホログラムの光学モデルを決定する上での指針になる。また,本年度は良好な結果が得られなかった,共役光による像再生についても引き続き検証を行っていく予定である。
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