2010 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンド・窒化アルミニウムを用いた紫外線ハイブリッド環境デバイスの実現
Project/Area Number |
21760268
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
井村 将隆 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, ICYS-MANA研究員 (80465971)
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Keywords | ダイヤモンド / 窒化アルミニウム / 電界効果トランジスタ / 窒化物半導体 / 転位 / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
近年、ワイドバンドギャップ半導体であるダイヤモンド・窒化アルミニウム(AlN)が注目されており、本研究では両半導体を用いてハイブリッドデバイスを構成し、新機能デバイス(例えば発光・受光デバイス)の実現を目指し実験を遂行した。平成21年度では、有機金属気相成長(MOVPE)法により様々な面方位を有すダイヤモンド基板上にAlNを成長させ、その結晶学的な評価および成長条件の最適化を行った。その結果、(111)ダイヤモンド基板上にc軸配向したAlNが再現性良く得られることを見出した。この結果を踏まえ、平成22年度では、新機能デバイスの実現に重要な、アンドープでのダイヤモンド/AlNヘテロ界面のエネルギーバンド構造の評価にまず取り組んだ。不純物濃度1ppm以下に制御した(111)ダイヤモンド基板上に高純度なAlNを成長温度1250℃付近でMOVPE成長させ、ヘテロ界面のバンド構造をI-V測定、C-V測定により評価した。その結果、ヘテロ界面近傍でのダイヤモンドの価電子帯端は、窒化アルミニウムのそれと比較すると、より真空準位に近い側に形成されており、ノーマリーオン状態で正孔が蓄積していることの確認が出来た。そのため、当初研究計画していた発光・受光デバイスの実現を試みる目的を変更し、電子デバイスである電界効果トランジスタ(FET)の試作・評価を本年度の目的とした。ダイヤモンド基板上にAlNを成長させた後、ソース-ドレインおよびゲート電極を形成し、トランジスタ特性を評価したところ、ノーマリーオン状態でp型FET動作を示し、世界で初めてダイヤモンド/AlNヘテロ構造を用いたp型FETを実現した。
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