2010 Fiscal Year Annual Research Report
疎結合かつ損失を含む抵抗両終端形複素フィルタの構成
Project/Area Number |
21760273
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
庄野 和宏 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (50333993)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 電気機器工学 / 高速伝送回路設計 / 情報通信工学 / アナログ / 複素 / 受動 / フィルタ |
Research Abstract |
本研究では、次世代無線LAN規格IEEE802.11nに適用できる数GHz帯の高周波かつ高いイメージ信号除去が可能な新しい複素フィルタを取り扱った。本研究課題で取り扱う複素フィルタは、受動フィルタであり、終端抵抗、疎結合かつ損失を含むトランス、キャパシタから構成される。これまでに知られているRCポリフェーズフィルタは、主要部分が受動素子で構成されるが、明示的に抵抗器を含むため、電力損失が生じるばかりでなく、出力端子に電流を流すことができないため、出力端子に入力インピーダンスが十分に高い増幅器を必要とする。そのため、実用可能となる上限周波数は100MHz程度となる問題を抱えている。本研究課題で扱う複素フィルタは広帯域化が容易な抵抗両終端形である。この問題を解決するため、疎結合かつ無損失の複素フィルタの構成法と、密結合ではあるが有損失の複素フィルタの構成法を融合させ、目的とする複素フィルタを構成する方法を得た。そのためにまず、これまでのいくつかの周波数変換を組み合わせた。提案回路は、任意のフィルタを構成することができる。設計例として、3次の抵抗両終端形複素フィルタを構成した。トランスの1次と2次側の両者に損失を含ませるため、近似をうまく使う方法を開発した。受動部品は、コンデンサと、ポットコアによるトランスである。実験回路を試作した。重ね合わせ方による周波数特性の測定を通して周波数特性を測定し、理論通りの動作を確認した。このことにより、提案回路を集積化した場合、集積化トランスによる結合係数および損失を見込んだ設計が可能であるという見通しを得た。
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Research Products
(2 results)