2009 Fiscal Year Annual Research Report
マルチホップ無線ネットワークにおけるネットワーク符号化のロバスト化
Project/Area Number |
21760281
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
岡田 啓 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50324463)
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Keywords | マルチホップ無線ネットワーク / ネットワーク符号化 / ARQ / 誤り訂正符号 |
Research Abstract |
本研究では,マルチホップ無線ネットワークにおいてトラヒック集中によりボトルネックとなってしまうノードにおいて,その過負荷状態を改善するためにネットワーク符号を適用する.ネットワーク符号は,あるノードに集まった複数のパケットを本来ならこの数と同じ回数,送信する必要があるところを,これらの排他的論理和を取った一つのパケットを同報送信するだけでよく,伝送効率を高めることが可能である.元々,ネットワーク符号は有線ネットワークで考えられた技術であり,無線伝搬で問題となる誤りについては十分な対策が練られていない.本研究では無線伝搬環境に強いロバストなネットワーク符号を再送方式,誤り訂正方式の点から検討する. 本年度はパケット再送方式について検討した.ネットワーク符号化では,プロミスキャスモードで自身宛でないパケットも受信する必要がある.しかし,このとき自身宛でないために伝送に誤りが生じた場合にパケットの再送が行われない.さらに,符号化されたパケットを複数のノードに対して同報通信するため.一般的な方法だとブロードキャストを用いることになり,これもパケットの再送が行われない.無線伝搬路では誤りがしばしば発生し,この影響を和らげる対策が必要不可欠である.そこで,復号不可時に保持しているパケットリストを含む未確認応答を返信する方式を提案した.シミュレーションによる性能評価の結果,スループットが向上し,遅延時間も減少することを示した.
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Research Products
(1 results)