2010 Fiscal Year Annual Research Report
駐車支援に用いる広範囲監視のための複数アンテナを利用したレーダネットワークの検討
Project/Area Number |
21760283
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
羽多野 裕之 静岡大学, 工学部, 助教 (40402531)
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Keywords | レーダネットワーク / 駐車支援 / 障害物検出 / 高度交通システム |
Research Abstract |
申請者は,自動車周囲・近距離に存在する障害物を検出するべく障害物検出システムの構築を行ってきている.遠距離に存在する対象物を検出するシステムは実用化に至っている一方で,近距離用は駐車補助など利便性が高いのにも関わらず未だ研究段階である.近距離用システムでは広い監視エリアが必要とされ,さらに高精度位置推定が必要とされる.このため,本研究では分散配置されたセンシングデバイスをネットワークでつないだ「レーダネットワーク」による実現を検討している.広い監視エリアの達成と高い位置推定精度の達成を目標にかかげ,昨年度までの検討に加え本年度は以下の点に取り組んできた. 1.(マルチパス環境下での位置推定アルゴリズムの追加検討と成果発表) 歩行者などの反射の弱いターゲットの検出の場合,受信感度を上げて受信する必要がある.ターゲットが近距離かつ受信感度を上げた際に生じるマルチパス信号を有効に利用し,位置推定誤差を低減させる手法を検討してきた.提案手法を計算機上に実装をし,評価を行った結果を成果とし,評価を受けるために成果の発表を試みた.さらに,監視エリアを予め限定することでさらに有効に提案手法が働くことを導いた. 2.(送信アンテナのアレイ化の検討) 前方監視用であれば車両前方にレーダを分散配置する(障害物を取り囲むように設置できない).この場合,車幅方向に推定誤差が大きく発生する.この誤差を低減させるために,送信機側においてアレイアンテナ化を行うことを検討してきた.指向性は敢えて複数のローブを発生させ,その指向性情報を位置推定時に利用する.これまでの計算機上での評価に加え,DSPボードによる実装によって提案手法の有効性を確認した.
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