2009 Fiscal Year Annual Research Report
無線ネットワークのための多中継伝送に適した新しい再送制御方式の提案
Project/Area Number |
21760285
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
和田 忠浩 Shizuoka University, 工学部, 准教授 (00303529)
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Keywords | 無線ネットワーク / 多中継伝送 / 再送制御方式 / LDPC符号 |
Research Abstract |
無線アドホックネットワークは、複数の無線端末が即時的に協力して構成したネットワークのことで、災害時通信や車車間通信などの応用分野が期待される。本ネットワークではパケットは複数の無線端末を中継しながら送られる、いわゆる多中継伝送(マルチホップ伝送)される。この無線アドホックネットワークにおいて高速、高信頼化を実現するため、本研究ではリンク層における主要な要素技術である自動再送制御方式(ARQ)に着目する。一般的な再送制御では、受信端末では各通信毎にパケットの誤り判定を実施し、もしパケットに誤りが含まれていると判断された場合に送信端末に再送を要求する。しかし、多中継伝送では中継端末が複数存在し、どのような基準でどの端末に再送要求をするかといった、柔軟性の高い再送制御を考えることができ、適切な再送制御が通信性能の改善につながると考えられる。 21年度は、無線多中継伝送に適した自動再送要求方式の検討として、Rate-Compatible LDPC符号を利用した再送要求方式について検討した。まず、多中継伝送で一般的に用いられる復号中継型ではない、判定中継型の中継方式に着目し、その再送制御における通信性能を評価した。その結果、通信路環境の劣化した高誤り率領域では十分な特性が得られないまでも、ある程度良好な通信路環境であれば、LDPC符号の効果によって中継端末にかける負荷を低減しながら満足する通信性能が得られることを確認した。さらに、その性能の改善のため、パケット信頼度判定を利用した復号中継型と判定中継型を組み合わせた中継伝送を提案し、その再送制御の性能を提案した。そして、提案方式がスループット特性と中継端末負荷の観点から有効性であることを確認した。
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Research Products
(4 results)