2009 Fiscal Year Annual Research Report
電力線を用いた低遅延・高信頼な機械系制御信号ネットワークの研究
Project/Area Number |
21760286
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅原 大祐 Kyoto University, 情報学研究科, 助教 (50314258)
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Keywords | 電力線通信 / 制御信号 / 低遅延 / 高信頼 / アクチュエータ / インパルス性雑音 / 隠れマルコフモデル / 最大事後確率推定 |
Research Abstract |
本研究の目的は,産業用ロボットや自動車,航空機などの車両内の制御信号ネットワークを電力線を用いて構築するための通信システムを提案することである.平成21年度は自動車内の制御信号ネットワークをバッテリからの直流給電のための車載電力線で構築することを検討した.自動車内の制御信号電力線ネットワークでは,搭乗者の安心・安全にかかわるため,低遅延・高信頼な通信が要求される一方で,ドアロック,パワーウィンドウ,ワイパーなどのアクチュエータから生じるインパルス性雑音が通信の信頼性を損なうと懸念される.車載電源線の伝送特性及び雑音の測定結果から,アクチュエータ駆動時に突発的に生じる高レベルなインパルス性雑音が車載電源線通信の信頼性を大幅に低下させる危険性が高いことを明らかにした.本研究の目的の遂行には,車載電源線で発生するインパルス性雑音の特徴量を抽出し,そのインパルス性雑音に打ち勝つような通信方式を明らかにしなくてはならない.そこで,本研究では,車載電源線上に発生するインパルス性雑音の特徴量を適切に抽出するため,インパルス性雑音を適切に検出するためのアルゴリズムを提案した.従来のインパルス性雑音の検出方式としてカイニ乗検定が主に利用されている.提案したインパルス性雑音検出方式は,従来のカイ二乗検定に比べて高い精度でインパルス性雑音を検出することを計算機シミュレーションにて明らかにした.平成21年度の成果は,国際会議にて発表され,特許出願を行っている.今後,提案インパルス性雑音検出方式を用いて安心・安全を実現するための低遅延・高信頼な制御信号電力線ネットワークの構築を目指す.
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Research Products
(7 results)