2009 Fiscal Year Annual Research Report
周波数領域等化ブロック伝送方式を用いた1セル繰り返し移動体通信システムの研究
Project/Area Number |
21760289
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 和則 Kyoto University, 情報学研究科, 准教授 (50346102)
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Keywords | 送信ビームフォーミング / 電力配分 / マルチキャリア / SLNR |
Research Abstract |
本研究では,周波数領域等化ブロック伝送方式に基づいたマルチユーザ通信システムによって1セル周波数繰り返しの移動体通信システムを実現することを想定し,このようなシステム最も大きな問題となす"干渉"を空間軸及び周波数軸の信号処理によって抑圧する手法を検討した.これまで特に下り回線の通信において送信ビームフォーミングを用いて干渉を抑圧する手法が提案されており,SLNR基準のウェイトを用いることで良好な特性が得られることが経験的に知られていたが,その理論的な裏づけは十分になされていなかった.そこで本研究では,2ユーザ環境でSLNR基準の送信ビームフォーミングを行ったときに得られるウェイトを解析することで,このウェイトがパレート最適な解を与えることをはじめて理論的に示した.ここで興味深いことは,SLNR基準の非協力ゲームのナッシュ均衡点が,受信SINR基準の非協力ゲームのパレート最適点になっているということである.さらにSLNR基準に基づくビームフォーミングと,マルチユーザ環境でのリソースの割当法の一つである繰り返し注水定理にSLNR基準による評価関数を導入した手法を併用することで従来手法に比べて非常に少ないオーバーヘッド(フィードバック量)で大幅に周波数利用効率を改善可能であることを計算機シミュレーションによって明らかにした.
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Research Products
(13 results)