2010 Fiscal Year Annual Research Report
周波数領域等化ブロック伝送方式を用いた1セル繰り返し移動体通信システムの研究
Project/Area Number |
21760289
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 和則 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (50346102)
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Keywords | 送信ビームフォーミング / 電力配分 / マルチキャリア / SLNR |
Research Abstract |
本研究では,OFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式やサイクリックプレフィックスを用いたシングルキャリア伝送(SC-CP)方式などの周波数領域等化ブロック伝送方式に基づいたマルチユーザ通信システムによって1セル周波数繰り返しの移動体通信システムを実現することを想定し,自動的にサブキャリアの共有や棲み分けが行われる送信電力配分法を提案した.従来,このような目的のためには,繰り返し注水法による送信電力配分が提案されているが,この手法では端末で受信SINRを観測するために複数回にわたって実際に信号を送信し,かつ観測された実数値のSINR情報をサブキャリア数分だけ基地局にフィードバックする必要があり,そのオーバーヘッドが実装上の大きな問題であった.本研究では,これまでに送信ビームフォーミングのために提案されているSLNR基準を導入することにより,原理的にフィードバックが不要な電力配分法について検討した.この手法では基地局からの実際の信号送信は不要であるものの,干渉基地局から希望端末までの通信路情報が全く利用出来ないため,従来法に比べて達成可能レートが小さくなってしまう.そこで提案方式では,サブキャリアにつき1ビットの情報を1度だけフィードバックし,これをSLNR基準を用いた電力配分の初期条件に利用することで,干渉基地局-希望端末間の通信路情報を考慮しつつ,電力配分を決定するためのオーバーヘッドを大幅に削減している.さらに,計算機シミュレーションにより,提案方式を用いることで従来の繰り返し注水法による手法とほぼ同等の特性が得られることを明らかにしている.
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Research Products
(14 results)