2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760294
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松元 隆博 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 助教 (10304495)
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Keywords | 光無線通信 / 光軸ずれ / スペクトル拡散 / 光ZCZ符号 / ZCZ-CDMA方式 / マッチトフィルタ / FPGA / LED |
Research Abstract |
本研究では,高速で,光軸ずれに強い並列光無線通信方式の実現を目指す.これは,我々が提案している光ZCZ (Zero Correlation Zone)符号を光符号分割多元接続(CDMA)方式に適用することで実現できる.この光ZCZ符号は復調点の前後のある範囲で,相互相関関数が完全に0になるため,光軸ずれがあり送受信間の到達時間がずれた場合においても,隣接するLED間の干渉を抑圧できる.したがって,光軸合わせのためのハードウェアを簡素化でき,また高速伝送するための並列数を増やすことができ通信速度の高速化が期待できる.このときの並列数は符号の数を意味するが,光ZCZ符号は符号数が数学的上界を満たす理想的な符号であるため,並列数を理論的限界まで増やすことができる.従来,一般的に用いられている光直交符号や拡張プライム符号を用いた光CDMA方式では,符号間の干渉を完全に0にすることが出来ないため,高速伝送するための並列数に制限があった.また,根本的に符号の数が少ないため,並列数を増やすことができなかった. 平成21年度は、上記研究の準備として、まず光伝送方式の仕様の検討とその送受信機の試作を行った。具体的にはZCZ符号をディジタル値で発生させる符号発生器とその符号をアナログ信号に変換させるDA変換器、その信号を光信号に変換させるLED、空間上に伝送された光信号を受信するためのAPD素子、そのアナログ出力信号をディジタル値に変換するAD変換器、そのディジタル値を復調するためのマッチトフィルタなどによる送受信機の構成について検討を行った。ここでは比較的部品を調達しやすい波長850nmの近赤外線の光を用いた送受信機を設計することにした。つぎに、それらの機器を組み合わせて、実際に送受信機の設計とその試作を行った。また、動作試験により、SN比が高い状況で送受信が正確に行えることを確認した。
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