2009 Fiscal Year Annual Research Report
2.4GHz帯RFIDタグの静電気放電耐性向上を目的とした伝送特性の基礎的研究
Project/Area Number |
21760301
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
森 育子 Suzuka National College of Technology, 電子情報工学科, 助教 (20455140)
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Keywords | ユビキタス社会 / RFID / 2.4GHz帯 / 静電気放電 / 過渡電磁雑音 / 機器耐性 |
Research Abstract |
H21年度は,実使用状態を想定したRFIDタグの静電気放電に対する耐性を検討するため,最初に静電気放電に対する耐性の評価指標について検討した.本研究において,RFIDタグの静電気放電に対する機器耐性の評価には,国際電気標準会議(IEC : Intemational Electrotechnical Commission)が規定するイミュニティ試験で用いられる静電気試験器を用いるが,同規格は試験の厳しさの評価方法を与えていない.しかしながら,帯電人体からの静電気放電に伴って発生する過渡電磁界はGHz帯にもおよぶ周波数スペクトルを持つことが知られており,静電気放電の厳しさの評価指標の決定は不可欠である.実測に基づき,放電電流波形の最大勾配を評価指標として用いることにした.なぜなら,静電気放電によって機器の誤動作が生じる原因は,定性的には,放電時の過渡電流によって形成される機器内インダクタンスに起因して誘導電圧が生じることや,誘導磁界の回路結合によって発生する過渡電圧によるからである. 次に,帯電人体からの静電気放電によって生ずる放電電流の注入経路のモデル化について検討した.その結果,近年,携帯電話など携帯情報端末へのRFIDタグの搭載が増加していることから,携帯情報端末へ搭載された場合を想定することが妥当であるとした.その際に,放電電流の注入経路として,それら携帯情報端末の機器筐体のコネクタ部分あるいは液晶パネルに帯電人体の指先などが接触した際の検討が妥当であるとわかった.
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