2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁気的ドラッグデリバリーにおける磁気微粒子付着薬剤検出のためのセンシングシステム
Project/Area Number |
21760313
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
廿日出 好 Toyohashi University of Technology, 工学部, 助教 (90339713)
|
Keywords | 磁気的ドラッグデリバリー / 磁気ナノ微粒子 / 磁気センサ / SUID / 薬剤検出 / センサアレイ |
Research Abstract |
磁気ナノ微粒子の医療応用として、磁気ナノ微粒子を付着させた薬剤を血流にのせて、磁気により患部へ誘導する磁気的ドラッグデリバリーシステム(MDDS)が近年考案されている。現在開発段階にあるMDDSを実用化するには、移動中の微粒子付き薬剤の位置および量を同定する技術が必須となる。そこで、本研究では、MDDS実用化のための要素技術として、最も高感度なSQUID磁気センサを用いた移動中の微量な磁気ナノ微粒子を磁気的に検出するセンシングシステムの開発を目的とした。まずMDDS応用の対象を小動物に設定し、10mm×10mmのバイクリスタルSrTiO_3基板上に小型高感度SQUID磁気センサを設計・開発して、その素子特性を評価した。この結果、SQUIDは一辺1.5mmと小型検出コイルを有するにもかかわらず、約600fT/Hz^<1/2>という高い磁場感度を有することがわかった。本SQUIDを用いた移動磁気微粒子検出装置を開発し、残留磁化法、DC励磁法、AC励磁法の三種類の検出法を適用し、体内での免疫効果を免れうる直径100nm以下のサイズの磁気ナノ微粒子の磁気的特性を調べ、またMDDSにおける最適な検出方法について検討したた。ここではデキストランが表面修飾された磁気微粒子を用いた。この結果、測定中SQUIDに励磁磁場を印加することなく磁気微粒子由来の磁気を検出可能な残留磁化法では、直径50nmと100nmの微粒子からの信号を検出できるが、20nmの微粒子は検出できなかった。この結果、20nmの微粒子は頂上磁性を有することが明らかとなり、この微粒子に関してはDCもしくはAC励磁法が検出に適することがわかった。また、磁気微粒子の信号強度は微粒子量に比例し、SQUIDセンサと微粒子間距離の3乗に反比例することがわかった。また、微粒子が発する磁気信号の分布を計測することにより、微粒子位置の同定が可能であることを示した。この他、超伝導薄膜シールドを有するSQUIDの磁場耐性が従来のSQUIDと比較して約15倍向上できることを示した。
|
Research Products
(9 results)