2010 Fiscal Year Annual Research Report
磁気的ドラッグデリバリーにおける磁気微粒子付着薬剤検出のためのセンシングシステム
Project/Area Number |
21760313
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
廿日出 好 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90339713)
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Keywords | 磁気的ドラッグデリバリー / 磁気ナノ微粒子 / 磁気センサ / SQUID / 薬剤検出 / センサアレイ / 磁気特性 |
Research Abstract |
磁気微粒子を付着させた薬剤を血流にのせて、磁気により患部へ誘導する磁気的ドラッグデリバリーシステム(MDDS)が近年考案されている。MDDSを実用化するには、移動中の微粒子付き薬剤の位置および量を同定する技術が必須となる。そこで、本研究では、MDDS実用化のための要素技術として、現在最も高感度なSQUID磁気センサを用いて、移動中の微量な磁気ナノ微粒子を磁気的に検出するセンシングシステムの開発を目的とした。まずMDDS応用の対象を小動物に設定し、10x10mm^2のバイクリスタルSrTiO_3基板上に3個配列した小型SQUID磁気センサを設計・開発して、その素子特性を評価した。この結果、SQUID1個は一辺1.5mmと小型にもかかわらず、約600fT/Hz^<1/2>という高い磁場感度を有することがわかった。本SQUIDを用いた移動磁気微粒子検出システムを開発し、残留磁化法、DC励磁法、AC励磁法の三種類の検出法を適用し、体内での免疫効果を免れうる直径100nm以下のサイズの磁気ナノ微粒子の磁気特性を調べ、またMDDSにおける最適な検出方法について検討した。ここではデキストランが表面修飾された磁気微粒子を用いた。この結果、磁気微粒子の残留磁化を検出する残留磁化法では、直径50nmと100nmの微粒子からの信号は検出できるが、20nmの微粒子は検出できなかった。この結果、20nmの微粒子は超常磁性を有することがわかった。また、これらの微粒子に対してDCおよびAC励磁法を適用した場合の磁気特性を調査した。この結果、今回用いた磁気微粒子の中では直径50nmの微粒子が最も大きな信号を発生すること、また、DC励磁法を用いた時、液中でのブラウン運動や回転運動によるエネルギーを抑制でき、最も大きな信号が得られることがわかった。また、システムにベースラインの長いSQUIDグラジオメータ(勾配計)を4個二次元配列の配置で導入した。これによりこれまでより微量かつ体内深部の微粒子の検出、二次元磁場分布の計測が可能となった。
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Research Products
(9 results)