2009 Fiscal Year Annual Research Report
乳濁液中の寄生細菌における誘電泳動特性の評価と分離計測装置の構築
Project/Area Number |
21760317
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
内田 諭 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 准教授 (90305417)
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Keywords | 誘電泳動 / 乳濁液 / 細菌 / 油滴 / 静電容量 / 薬剤耐性 / 泳動速度 / 数値解析 |
Research Abstract |
本研究では、乳濁液中の寄生細菌に対する迅速かつ簡便な検出を実現するため、誘電泳動による輸送操作と濃縮媒質の静電容量計測を併用した分離検出技術の確立を目標としている。本研究を円滑に遂行するために、本年度(平成21年度)は準備的段階として、(1)電機操作条件に対する菌泳動特性の基礎解析、(2)誘電泳動セパレータの設計製作及び動作確認、(3)菌泳動に対する油滴の影響評価及びセパレータの最適化を行った。 (1) に関しては、純水中におけるマイクロセル内の電界分布及び菌の誘電泳動速度と軌跡を数値シミュレーションにより計算し、電極形状の違いによる電極到達時間を定量化した。 (2) に関しては、撰型マイクロ電極を試作するとともに、ポリスチレン微粒子、大腸菌及び酵母の誘電泳動速度を実測した。結果として、電極間隔が20μmの場合、仰角30度で直径が10μm程度の粒子に対する泳動速度分布を明確に出来ることが分かった。 (3) に関しては、蛍光染色した大腸菌を乳濁液中へ懸濁させ、各種周波数における泳動状態を観察した。条件によって油滴との分離が可能であることを見出したが、カビ類等へ適用条件についてはさらに詳細な調査が必要である。 なお、本研究の関連成果は、国内学会(静電気学会)にて発表されている。 以上のことから、本研究では当補助金を有効に活用し、確実に到達目標を達成できたと思われる。
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