2010 Fiscal Year Annual Research Report
コウモリの音響センシング行動に基づいたナビゲーションアルゴリズムの提案
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21760318
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| Research Institution | Doshisha University |
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Principal Investigator |
飛龍 志津子 同志社大学, 生命医科学部, 助教 (70449510)
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| Keywords | 生物ソナー / コウモリ / 超音波センシング |
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| Research Abstract |
1 マイクロホンアレイによる3次元パルス放射方向計測システムの構築
実験室内を飛行するコウモリの放射パルスを水平・垂直方向共に計測するために,補聴器用小型マイクロホンを複数利用した3次元マイクロホンアレイを構築した.キクガシラコウモリを観測対象種とし,CF-FMパルスのFM部分を利用することで,放射パルスの3次元方向の計測に成功した.従来からの高速度ビデオカメラを用いた飛行軌跡の計測とあわせることで,目標点に向かって飛行するコウモリの飛行軌跡とパルス放射方向の変化を詳しく調べたところ,コウモリが(1)ナビゲーションに重要と思われる方向(目標点や障害となる周囲壁)に対して強い音圧のパルスを放射し,エコーのS/Nを上昇させていること,(2)複数の地点からのエコーに対しては時分割的に処理していること,(3)ドップラーシフト補償行動中のパルスCF2周波数とパルス放射方向の変化とに相関があることを新たに見出した.
2 獲物探索時におけるエコーロケーション行動の計測及び数値シミュレーションの実行
3次元空間において効率よく獲物を探索するためのアルゴリズムに関して,計測結果及び数値シュミレーションにより検討を行った.その結果,(1)獲物の分布密度に応じて探索距離を変化させていること,特に獲物の分布密度が低い場合,探索距離を数パルスに1度拡大する,(2)探索距離を拡大することによる発見効率の変化を数値シュミレーションにより検討した結果,探索距離の伸張によって発見効率が上がる場合があり,また探索距離に最適値がある可能性を見出した.
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