2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760320
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Research Institution | Asahikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
横井 直倫 旭川工業高等専門学校, 機械システム工学科, 准教授 (60353223)
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Keywords | 計測工学 / 血流計測 / 色彩計測 / 皮膚診断 / 画像処理 |
Research Abstract |
本研究は,レーザーと白色光源を併用することにより皮膚表面の広範囲の血流分布と色彩を同時に画像として忠実に再現し,さらにこれらの結果を症例としてデータベースに保存することで,多様な症状となって出現するアレルギー性皮膚疾患がどの症名に該当するのかを瞬時にかつ客観的に特定できる画像診断システムの開発を目的として遂行された. 本年度はまず,平成21年度に開発した血流分布再現および色彩再現のためのソフトをパーソナルコンピュータにインストールし,これらを用いた画像データの解析に基づいて取得された疾患部の血流速度,大きさ,深さ,色彩,症状の経時変化などを症例としてデータベースに蓄積保存した.そして,診断の対象となる症状について,評価値対評価項目の特性を多変量解析法に基づいてデータベース中の他の症例と比較評価し,症状がデータベース中の症例のどれに一致するかを判断できる診断アルゴリズムを構築した.次に,平成21年度に構成した測定光学系に2軸可動ステージを追加し,疾患部が広範囲に及ぶ場合にその全体を走査することができるようにした.さらに,画像計測から解析,血流可視化,色彩再現,症例のデータベース化,診断アルゴリズムに基づく症名の特定に到る一連の過程と,2軸可動ステージや光学系の各可動部に導入したサーボモータの遠隔制御を一括して統合管理操作できるソフトを開発し,これをもとに診断装置全体をシステム化した. その上で,機械性蕁麻疹を対象として本研究で開発した画像診断システムの性能確認試験を実施した.その結果,本システムがアレルギー性皮膚疾患の症名を特定する能力を十分に備えていることが確認できた.
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