2009 Fiscal Year Annual Research Report
完全空乏型SOI技術を用いたテラヘルツ帯高感度センサー用極低温LSIの開発
Project/Area Number |
21760321
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
永田 洋久 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 研究員 (20399299)
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Keywords | 赤外線天文学 / 極低温読み出し回路 / 光伝導型検出器 / 完全空乏型SOI-CMOS / テラヘルツ / 高感度計測 / 科学衛星 |
Research Abstract |
科学徳星搭載を目指した、遠赤外線波長帯の大規模イメージセンサー用極低温集積型読み出し回路の基礎検討を行うことが本研究の目的である。平成21年度には極低温集積回路の基礎コンポーネントである完全空乏型SOI-CMOS (FD-SOI-CMOS)の評価と基本回路ブロックの試作を行った。 1. FD-SOI-CMOSの特性評価実験 絶対温度2KにFD-SOI-CMOSを冷却しその特性評価を行った。結果として、標準的なボディフローティングタイプは低いドレインーソース間電圧(VDS)で生じる電流の急増現象のために静特性が大幅に劣化することが分かった。一方で、ソースタイ、ボディタイタイプのFD-SOI-CMOSは|VDS|=1V程度まで比較的良好な静特性を維持することが明らかになった。また、FD-SOI-CMOSの低周波での雑音特性は10μV/√Hz@1Hz程度であった。この雑音値を基に、シンプルな積分型プリアンプを構成した場合に期待される読み出し雑音を求め、観測時の背景光を起源とした場合に期待されるGe:Gaセンサーのショット雑音と比較すると、背景放射雑音限界に近い条件で観測ができるとの見通しが得られた(論文発表) 2. FD-SOI-CMOSを使った試験回路の試作 詳細なトランジスタパラメータの冷却時の値を得ることは困難であるため、イメージセンサーに用いる各要素回路を試作しその性能を測定することで実用性を評価するアプローチを採用した。ソースタイ、ボディタイタイプのFD-SOI-CMOSの測定結果を基に、NAND, NOT等の基本回路、積分型のプリアンプ回路、スイッチトキャパシタ、シフトレジスタ、容量型DA変換器等のイメージセンサーを構成する要素回路の設計・試作を行った。現在は極低温での測定環境の整備を進めている。
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Research Products
(6 results)