2010 Fiscal Year Annual Research Report
2次元振動子の結合による適応的振動子ネットワークの設計問題とその工学的応用
Project/Area Number |
21760324
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
早川 朋久 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (30432008)
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Keywords | 同期制御 / アファインシステム / ネットワーク制御 |
Research Abstract |
本課題研究最終年度となる本年度は,低次元区分的アファイン周期軌道のネットワークドシステムの解析と,低次元区分的アファイン振動子制御系と工学システム・社会システムの制御論的統合化を行い,数値実験による設計論の検証と低次元振動子ネットワークによる周期的システムへの適用原理の総括をした.まず,前年度の研究で構成した区分的アファイン振動子を結合させ,ネットワーク全体の同期特性を,振動子間の相互結合の強さとアファインシステムのシステムパラメータの観点から検討した.また,個々の振動子が分岐現象を起こす可能性のある場合,振動子ネットワーク全体において個々の分岐現象がどのような影響を及ぼしていくのか考察した.この一連の解析により,環境変化に対するネットワークの強度・結合構造変化の体系化が進み,今後の同種の研究に向けて基礎理論が整った.工学応用としては,都市部での交通信号網に対し,低次元振動子ネットワーク制御系を理論的考察から得られた知見を基に提案した.特に,振動子ネットワーク制御系に駆動されたシステム全体を2次元振動子系とプラントの状態方程式との階層的フィードバックインターコネクションとして捉え,信号現示の周期的変化がパターン生成制御系によって環境変化に対して適応的に維持される条件を数値的に求めた.その結果,多脚ロボットの歩行制御や通信におけるフェーズドアレイアンテナの指向性制御等,信号制御系以外の周期的変化を必要とするシステムに対しても同様の理論を適用することにより,提案手法の適用可能性が明確になり,今後の応用展開の可能性を示すことができた.
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