2010 Fiscal Year Annual Research Report
相組成・細孔構造・物質移動の強連成に基づく無機複合材料の統合的な炭酸化モデル開発
Project/Area Number |
21760341
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
李 春鶴 群馬大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80431724)
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Keywords | 炭酸化 / 細孔構造 / 物質移動 / 高炉スラグ微粉末 / フライアッシュ / 水セメント比 / 深度分布 / K値 |
Research Abstract |
本研究では、実験と解析の両面からセメント系無機複合材料の炭酸化反応による相組成・細孔構造・物質移動の相互関係のメカニズムを解明することで、各種ポルトランドセメントの異なる水結合材比・混和材置換率および異なる温度・相対湿度・二酸化炭素濃度における、炭酸化反応による相組成の変性、細孔構造の変遷、物質移動抵抗性の変化を統一的に評価できる無機複合材料の統合的な炭酸化反応モデルの開発を行った。 その結果、普通ポルトランドセメントのみのものは、初期に不十分な養生により表層部分の細孔構造が粗大になっても、炭酸化により、表面部分の細孔構造が緻密になり、乾燥の影響を受けにくくなる。しかしながら、高炉スラグ微粉末を置換したものは、初期の養生が不十分な場合、材齢初期において、表層部分の水分逸散により物質移動抵抗性が低下し、これにより炭酸化が促進され、更なる物質移動抵抗性の低下が生じて、結果的には全体において、長期にわたる物質移動抵抗性の低下をもたらしている。また、フライアッシュを置換したものは、十分な養生により、非常に緻密な細孔構造が形成され、酸素拡散係数も小さく、炭酸化抵抗性も大きいであるが、炭酸化の進行により、粗大な細孔構造の形成とともに、物質移動抵抗性が小さくなり、炭酸化抵抗性も小さくなっていることが明らかになった。さらに、このような変化は、炭酸化による生成される炭酸カルシウムの種類、形成される生成物のC/S比、シリカゲルの量などにより、細孔構造が変化し、それに伴い物質移動抵抗性や炭酸化抵抗性が異なることが解明された。
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Research Products
(7 results)