2009 Fiscal Year Annual Research Report
セメント系複合材料の微視的破壊と経時的体積変化の関連評価
Project/Area Number |
21760344
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 健 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (40450746)
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Keywords | モルタル / クリープ / アコースティックエミッション / 若材齢 |
Research Abstract |
平成21年度は、微視的破壊がコンクリートの引張型クリープ変位に及ぼす影響を把握するために、骨材付近の遷移帯(ITZ)の力学特性を変化させることで微視的破壊発生条件を管理したモデル試験体を用意し、載荷実験を行う。そして実験結果を基に、微視的破壊とコンクリートの引張型クリープ変位の連関を明らかにすることを目的としている。 はじめに、既往のITZの強度に関する知見を踏襲し、水セメント比、材齢、湿度、粗骨材特性(吸水率、表面積)、練混ぜ方法を考慮に入れたモデル試験体を製作した。この試験体に一定の引張力を持続的に作用できる、「てこ式直接引張クリープ試験機」を独自に開発し、申請した費用をその製作費用に充当した。また、試験中に湿度・温度およびAE計測に対するノイズの影響を低減するために、低騒音環境の恒温恒湿器を新たに購入し、実験に使用した。試験体にAEセンサを複数配置して、微視的破壊の位置や規模をモニタリングすると同時に、ひずみゲージおよび高精度変位計を使用してクリープ変位を計測した。その結果、AE波形の特徴を示すAE波形パラメータを解析することで、AE計測によるセメントマトリクス・ITZの微視的破壊の識別法を提示するとともに、計測したクリープ変位と関連付けて検討できることを明らかにした。なお、本研究の成果は、日本コンクリート工学年次論文集(査読済修正中)および土木学会年次学術講演会に投稿する予定である。
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