2009 Fiscal Year Annual Research Report
新しい波動解析手法による非線形超音波法特性の解明に関する研究
Project/Area Number |
21760352
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
斎藤 隆泰 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (00535114)
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Keywords | 境界要素法 / 時間領域 / 超音波非破壊評価 / 非線形超音波法 |
Research Abstract |
非線形超音波法とは、音響インピーダンス差に基づき欠陥を評価する線形超音波法では検出することが難しいとされる欠陥に対して期待されている新たな超音波非破壊検査手法の1つである。平成21年度は、非線形超音波法のモデルとなる欠陥を、異種材料接合界面における欠陥として考慮した。このモデルは、2つの半無限固体領域の接合界面に欠陥を有する反射・透過問題へと帰着される。通常の超音波非破壊検査では、試験片全域に渡り超音波を測定するよりも、出来るだけ少ない点での測定結果を用いて欠陥の有無を判定することが望まれる。これらのことから、境界面のみの離散化で、かつ必要最低限の位置で超音波波形データを得られる時間領域境界要素法を数値解析のベースとした。ただし、時間領域境界要素法は、時間増分が小さい時に数値解が不安定となることが知られている。 そのため、本年度は、時間領域境界要素法を改良し、時間増分が小さい場合に対しても安定に解析を実行できる新しい波動解析手法、Convolution Quadrature境界要素を開発した。解析精度においても、異種材料の性質から計算される反射・透過係数を用いて解析的に求まる反射波・透過波と、開発手法で求めたそれらが、時間増分が小さい場合においても精度良く一致することを示すことができた。さらにそれらにOpenMPの並列化を施すことで、計算時間の削減も可能となった。開発した手法を用いて、実際に非線形超音波法の数値シミュレーションを行い、3次高調波の励起を確認することができた。これらより、平成21年度の主な目的である(1)新しい波動解析手法の開発と(2)開発した手法の高度化と基礎的な非線形超音波法の数値シミュレーションは概ね、達成できたと言える。
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Research Products
(7 results)