2010 Fiscal Year Annual Research Report
電磁波レーダを用いた非破壊検査の新しい定量的評価基準の確立に関する研究
Project/Area Number |
21760358
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉川 仁 京都大学, 情報学研究科, 講師 (90359836)
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Keywords | 電磁波レーダ / 非破壊評価 / 時間域境界積分方程式法 / 波動減衰 |
Research Abstract |
コンクリート構造物の非破壊評価や地下探査では、弾性波の減衰が大きいため弾性波を用いた非破壊評価は適しておらず、電磁波を用いた非破壊評価が行われている。H22年度は、電磁波レーダ計測において得られる受信電磁波波形データに含まれる散乱波の到達時間以外の情報の利用可能性について検討した。マクスウェル方程式に支配される内部散乱体として完全導体を持つ電磁場における波動解析を時間域の境界積分方程式法を用いて数値的に行い、電磁波レーダ非破壊計測において受信アンテナの出力として得られる波形データを数値的に復元した。検査対象物内部の散乱体の情報(位置や形状やサイズなど)をパラメータで表現し、それらのパラメータ毎に散乱電磁波動場を計算する事で、電磁波レーダ計測波形と各種パラメータとの関係を明らかにした。また、実際の非破壊評価では検査対象物内において伝播する電磁波は減衰する。特に、検査対象がコンクリート構造物や地中である場合、電磁波の減衰は顕著である。このため、電磁波の減衰を考慮した数値解析手法を提案した。具体的にはルービッヒの演算子積分法を用いた時間域境界積分方程式法を電磁波散乱問題に適用した。提案した手法を用いて、実際のコンクリート構造物内部の鉄筋の配筋検査を想定した数値解析を行った。対象物内部を減衰しながら伝播する電磁波波動を数値的に表現できた。より、現実の電磁波非破壊計測に近いモデル化や境界条件のもとでの数値解析を実現した事で、新しい定量的非破壊評価の確立に大きく近づいたと言える。
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Research Products
(4 results)