2009 Fiscal Year Annual Research Report
高振動数で起振可能なアクチュエータの開発と構造物の微小損傷検出手法の確立
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21760360
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古川 愛子 Kyushu University, 工学研究院, 助教 (00380585)
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Keywords | 損傷検出 / 構造物 / アクチュエータ / 起振 |
Research Abstract |
大地震後の構造物の被災度判定は,現状では専門家による目視によって行われているが,被災箇所や時間帯によっては目視の出来ない場合があるので,目視によらずに損傷の有無を簡便に判定する手法の開発は重要な課題である.損傷によって構造物の振動特性が変化することは古くから知られており,振動特性の変化を利用した損傷検出手法に関する研究は数多い.微動計測のような主に数~数十ヘルツの低い振動特性を扱う手法は,小さな損傷に対する感度が低いため,亀裂レベルの小さな損傷の検出には利用できない.一方,超音波探傷検査のような微小損傷に対して感度の高いメガヘルツの振動特性を扱う手法は,一度に診断できるエリアがクラック近傍などの非常に狭い領域であるので,構造物全体の健全度を即座に診断することは難しい. 本研究では,超音波ほど高くはないが微動よりは高い振動数,具体的には数キロヘルツの高振動数で構造物を起振することによって,亀裂レベルの小さな損傷の検出と計測の効率化を同時に実現する損傷検出手法を開発したいと考えている.H21年度は,まず,高振動数で起振可能なアクチュエータを作成した.アクチュエータは,構造物を起振する加振部と,加振部を駆動するコントローラ部から構成される.加振部には圧電素子を利用した.コントローラはマイクロコンピュータを用いて作成した.様々な振動数の起振力を起こせるようにした.次に,作成したアクチュエータによって構造物が振動するかどうかを,鋼板を用いて検証した.アクチュエータで鋼板を起振し,応答加速度を計測した.応答加速度をフーリエ変換したところ,起振振動数に相当するピークが見られ,起振できていることを確認した.さらに,鋼板に切り欠けを入れて,切り欠けによって応答加速度が変化することを確認した.
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Research Products
(2 results)