2010 Fiscal Year Annual Research Report
海洋開発新時代に向けた構造設計援用・流体構造連成シミュレータの開発
Project/Area Number |
21760361
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浅井 光輝 九州大学, 工学研究院・建設デザイン部門, 准教授 (90411230)
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Keywords | 粒子型解法 / 流体構造連成解析 / 高速化構造動的解析 / 沿岸域の流域シミュレーション / 圧縮性流体用SPH法 |
Research Abstract |
沿岸地域の社会インフラを安全・安心に開発あるいは管理していくため,水害を念頭においた新規の流体・構造連成シミュレータを開発することを目標にした. 水害時には砕波,飛沫などに伴い自由表面が激しく変動することが予想されるため,流体解析としては粒子型解法(SPH法)を選択し、構造解析には非線形解析の実績がある有限要素法(FEM)を用いたハイブリット型の連成シミュレーション技術の開発を行った. 2009年度は主にSPH法の改良に注力し,以下の成果を得た. ・圧力のみを陰的にISPH法の枠組みにおいて,圧力が不自然に振動するといった問題点に対する解決策を提案した.(同種の解法であるMPS法で開発されたポアソン方程式のソース項の改良をISPH法へと導入) ・安定化した圧力値を用いた内製ISPH法ツールとFEMを融合させた流体・構造連成解析のベースを開発した. 2010年度は前年度の成果を受け,更なる高精度化・高速化を図った. ・構造FEM解析部における解析の局速化を目的とし,KSMOR法という新しい縮約化技術を導入し,通常のFEMの精度を確保したまま,10~40倍程度の高速化を可能とした. ・2009年度に開発した流体・構造連成解析ツールにおける構造解析部の機能強化を行い,大変形までを統合的に解析可能なシミュレータへと発展させた. 以上,当初に設定した水害対策の検討支援ツールに資する流体・構造連成解析の基礎を構築することができた.また,流体解析のみについては3次元化まで対応済みであり,構造力に作用する流体力を精緻に予測可能であることを確認した.
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