2009 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋腐食を生じたコンクリート部材の付着構成則の構築
Project/Area Number |
21760364
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
村上 祐貴 Nagaoka National College of Technology, 環境都市工学科, 助教 (70509166)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 付着 / 鉄筋腐食 / 拘束圧 / 付着構成 |
Research Abstract |
本研究は鉄筋腐食を生じた鉄筋コンクリート部材の付着特性に及ぼす鉄筋腐食率,腐食ひび割れなどの様々な付着劣化因子の影響をコンクリートの拘束圧の変化として統一的に評価し,任意の腐食劣化性状に適用可能な付着構成則を構築することを目的としている。 平成21年度には鉄筋腐食に伴うコンクリートの拘束圧の変化の定量化について重点的に実施した。具体的には所定の位置にφ22mmの円孔を設けた角柱試験体を作成し,その孔内に鋼管パイプ(外径13.8mm)を挿入後,円孔と鋼管パイプの隙間には腐食膨張圧を模擬するために静的破砕剤を充填する。鋼管パイプ中央部の内曲面には,2軸のひずみゲージを3枚貼付け,鋼管軸方向と円周方向のひずみを測定した。また,試験体のかぶり厚が最も小さい面の中央部にはπ型変位計を設置してひび割れ幅を測定した。コンクリートの拘束圧は孔内の圧力(内圧)と等しいことから,内圧を計測したひずみデータを中空円筒理論に適用し算出した。 上記手法により算出したコンクリートの拘束圧とかぶりコンクリートのひび割れ幅の変化について以下の結論が得られた。 (1) かぶり厚が大きい程,最大内圧は大きくなり,かぶり厚と内圧最大値には,高い相関性が確認された。 (2) 本実験の範囲内では,かぶり面のひび割れ幅0.2mm程度まで拡がると,内圧は最大内圧の約50%以上低下した。 (3) ひび割れ幅の増加に伴う最大内圧からの減少率は,かぶり厚75,60,40mmにおいては,ひび割れ幅が0.2mmに達するまで急激に低下し,それ以降は緩やかに低下した。
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