2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760376
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中川 啓 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (90315135)
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Keywords | トレーサ試験 / 分散長 / 移流分散過程 / 室内実験 |
Research Abstract |
地下環境における物質輸送を決定する重要なパラメータの一つに分散長がある。本研究ではこの分散長を環境負荷の小さい熱(水温)をトレーサとして非破壊で評価する手法の確立を目的とした。昨年度は不飽和条件下の分散長評価を試みたところであるが、今年度はまずトレーサとして、(1)温水、(2)塩化カリウム水溶液、(3)塩化カリウム水溶液を温めたものの3種類を準備し、それぞれ、被圧状態で水頭差を0.4~3.2cmまでの8段階(0.4cmごと)として上流側よりトレーサを投入し、下流側の観測点で、電気伝導度および温度を測定した。電気伝導度および温度の時間変化を、2次元移流分散方程式の解析解にフィッティングさせて見かけの溶質分散長と熱分散長を決定した。この結果より、熱分散長から溶質分散長を差し引いて周囲への熱拡散率を評価した(以上を実験Iとする)。続いて、不圧状態で0.8cmと1.2cmの水頭差における温水トレーサ実験を実施して、所定の時間間隔毎に熱画像を取得し、熱の拡がりから見かけの熱分散長を評価した。実験Iで評価された熱拡散率を用いて、見かけの熱分散長から溶質分散長を算定することを試みた(以上を実験IIとする)。その結果、縦方向の分散長については実験IとIIでほぼ同様な値が得られた。横方向の分散長評価については、検討の余地が残された。
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Research Products
(3 results)