2009 Fiscal Year Annual Research Report
風波を伴う開水路流れにおける乱流ダイナミクスと物質輸送プロセスの解明
Project/Area Number |
21760385
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山上 路生 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (80362458)
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Keywords | 風波現象 / 乱流 / 開水路流れ / PIV / 組織構造 / 可視化計測 / 波・乱れの分離 / 乱れエネルギー収支特性 |
Research Abstract |
流速勾配,すなわちシアーが存在する乱流境界層では,ヘアピン形状をもつ組織乱流渦が発生することが知られている.T-S波とよばれる不安定挙動が発達するとヘアピン渦になり,さらにエジェクションによってヘアピン渦は上方へ輸送されるが,乱流斑点を伴って崩壊する.このような渦のライフサイクルが存在することが非常に興味深い点であり,この時間特性は点計測法による統計解析では隠れてしまうため,研究進展が遅れた.最近では可視化ハードウェアの飛躍的な性能向上によってその構造が定量評価されつつあり,再び脚光をあびているホットな話題である.特に自由水面に波が発生する場合における底面乱流構造を中心にその乱流構造を実験的に解明した. 渦を視覚的に抽出することは比較的容易だが,得られたデータから数学的に抽出することは単純ではなく,Q値△法およびγ法といった様々な数学手法が提案されている.これらの方法を比較しながら本研究の瞬間流速データに適用して,ヘアピン渦の時間空間構造を解析した.自由水面にも組織渦構造が発生することがいくつかの研究グループでは報告されているが,いずれも定性的なもので具体的な構造は未解明である.そこで底面と水面におけるそれぞれの渦構造を特徴づける長さスケールや時間スケールを定量評価した.これによって乱流の全体形状の時間変化が数値シミュレーションのようにアニメーション化できることが本研究の目玉で,これらの結果から風波開水路における乱流組織渦の現象モデルを構築した.
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Research Products
(4 results)