2011 Fiscal Year Annual Research Report
高解像度固液混相流モデルによる混合粒径砂の鉛直分級機構の計算力学的研究
Project/Area Number |
21760386
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 英治 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00362450)
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Keywords | 個別要素法 / Euler-Lagrange / LES / 鉛直分級 / 固液混相乱流 |
Research Abstract |
本研究課題においてこれまで粒子流を詳細に検討するための数値実験ツールとしてEuler-Lagrangeカップリング型の固液混相流モデルの開発に取組み、粒子流のラージ・エディ・シミュレーション(粒子流LES)実施のための準備を進めてきた。当該年度は、前年度からの継続課題として混合粒径シートフロー漂砂の鉛直分級過程を対象とした数値シミュレーションの実施と、その結果の既往の実験との比較を実施した。粒子流動層の瞬間像と粒径別の濃度重心時系列より、数値シミュレーションで得られた粒子運動の再現性を確認した後、実験計測が困難である粒子流動層の位相毎の流れ場(流速ベクトル分布、レイノルズ応力分布、乱れエネルギー生成分布)を計算力学的に検討した。これらのデータから、加速位相の中期から減速位相の初期にかけて粒子流動層の表層で乱れエネルギーの顕著な生成領域が発達し、鉛直分級が促進されることが確認された。当該年度の後半では、シートフロー漂砂における粒子流動層での歪み速度と粒子間衝突に起因した平均せん断応力の位相変化(レオロジー)の特性について検討を進めた。シートフロー漂砂が周期的変動を伴った高速・高濃度の非定常土砂輸送現象であるため、一様濃度の定常流を対象とした固液混相流の研究と比較してその知見は乏しい。本研究課題で開発した粒子流LESのための固液混相流モデルを使用して、シートフロー層のレオロジーについて数値実験より検討し、Bagnold則が概ね成立する領域の半周期特性を示した。これらの内部構造の情報は、シートフロー層の内部構造を検討する上で基礎的な情報として意義がある。
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