2009 Fiscal Year Annual Research Report
河川の安全度照査のための信頼性・実用性の高い河床変動予測モデルの開発と適用
Project/Area Number |
21760390
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
内田 龍彦 Chuo University, 研究開発機構, 機構准教授 (00379900)
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Keywords | 底面流速 / 渦度方程式 / 水深積分モデル / 局所洗掘 / 非静水圧分布 / 水衝部 / 河川構造物 / 水表面流速 |
Research Abstract |
河道湾曲・蛇行部の外岸,河川構造物周辺,河道の分・合流部など,洪水時に大きな河床洗掘が予想される個所において河川構造物や河川堤防の安全度照査を行うことが重要であり,信頼性・実用性の高い河床変動予測モデルが求められている.河川洪水流やそれによる河床変動解析には,3次元解析モデルは計算負荷,計算技術の両面で未だ困難であり実用的でない.このため,実用的に精度よく底面近傍流速を算定するために,平面2次元解析モデルの枠組みの中でどのように流れの3次元性を考慮するかが,最も重要な技術的課題のひとつとなっている.本研究では,河川構造物周辺などに局所洗掘を生じさせる複雑な3次元流れを有する流れ場の底面流速を評価するため,静水圧分布等の圧力鉛直分布の仮定をせずに流速鉛直分布を評価できる渦度方程式を用いた準三次元解析法を構築・検証することを目的としている.本研究の主要な研究成果は以下のとおりである. ・渦度方程式を用いた準三次元解析法と観測水面形時系列データを用いた洪水流河床変動解析モデルを構築した.構築した解析モデルを現地河道の洪水流河床変動解析に適用し,本解析モデルは河道線形や河川横断構造物等による洪水前後の実測河床変動データを説明できることを示した. ・河川構造物近傍の局所洗掘解析のために,底面流速を水深積分渦度と水表面流速から半直接的に計算する底面流速解法を構築した.本解析モデルと円柱橋脚周りの局所洗掘実験結果を比較し,本解析モデルは橋脚周りの複雑な底面流速場を再現し,実験で観察された局所洗掘現象を説明できることを示した.
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