2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760393
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
内田 賢悦 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 助教 (90322833)
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Keywords | 移動時間信頼性 / 交通ネットワーク / 利用者均衡配分 / 確率的交通容量 / 確率的交通需要 / 認知誤差 / 冬期交通解析 |
Research Abstract |
交通ネットワーク上の移動時間信頼性に影響を与える主要な要因である交通需要,交通容量およびドライバーが有する移動時間に関する認知誤差すべてを確率変数として表現した,交通均衡モデルの構築を行った.積雪寒冷地においては,冬期の降雪等の影響を表現する交通容量の確率変動が特に重要となる.上記の3要因のうち,交通容量の確率変動のみを考慮したモデルは,大規模なネットワークへの適用も可能な問題として定式化できることを示した.さらに,確率的交通容量を車両感知器データから推計する方法も構築した.確率的交通容量推計モデルは,自動車の追従方程式のうち,最も一般的であると考えられるGM (General Motors)モデルを適用して構築されている.さらに,実際に路上に積雪のない夏期と積雪のある冬期における2つの確率的交通容量の計測を行った.その結果,冬期の平均交通容量は,夏期のものと比較すると約10%程度低下するだけではなく,変動係数に関しては,夏期のものより約15%程度増加することが明らかになった.以上の結果を札幌駅周辺部のテストネットワークに適用して総移動時間を計算したところ,冬期の総移動時間の平均は,夏期のものより50%程度増加し,さらにその変動係数に関しては,17%程度増加することが明らかとなった.以上の解析結果から,本研究課題で構築したモデルを適用することによって,これまで困難と考えられてきた,積雪寒冷における冬期の交通解析を行うことが可能となることが示された.
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