2009 Fiscal Year Annual Research Report
自動車の共同所有・共同利用による過疎高齢集落におけるモビリティ向上の可能性
Project/Area Number |
21760399
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
川本 義海 福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20334807)
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Keywords | 自動車相乗り / 過疎高齢集落 / モビリティ / 共助 / 住民の主体性 / 交通弱者 / 持続可能性 / 地域づくり |
Research Abstract |
過疎高齢集落の一つである福井市高須町を対象に、保障されるべきモビリティの確保という考え方を提起し、集落住民全体での支え合いを基本とする共助型モビリティ確保をめざし、その検討に必要な集落の現状把握および共助型モビリティ実現のための要件を明らかにした。またモビリティマネジメントの欧州会議から、欧州の高齢者モビリティの現状及び将来展望について把握、議論でき有用な知見を得た。具体的な内容は次のとおりである。 (1)関連調査研究レビューから、過疎高齢集落を抱える市町村の交通過疎・空白地域対策の現状ならびにそれらへの具体的な対応策、さらにその効果と今後の課題を抽出、整理した。その結果、これまでの交通システムの限界をふまえ新たな交通システムの実験的な取り組みが各地で始まっていることを確認するとともに、本研究で参考とすべき検討対象の絞込みをおこなった (2)カーシェアリング事業の実態について既往調査研究をもとに整理した。また今後の展開の方向性ならびに本研究の主対象である過疎地域における事業としての展開可能性、要件などについて確認・検討するために、カーシェアリングおよび過疎地の交通問題に詳しい専門家ヒアリング、過疎地交通に先進的に取り組む県市町村担当者へのヒアリングを実施し、検討シナリオ、実現可能性についての情報収集および意見交換をおこなった。さらに海外(欧州)における高齢者モビリティの現状及び展望について情報を得るとともに専門家との意見交換をおこなった。 (3)モビリティの具体的な検討として、福井市高須町住民全員を対象として日常生活での移動実態および意識についてアンケート調査を実施した。なお有効票のうち運転する人と運転しない人の各グループ間でモビリティの相違がどの程度見られるかを明らかにするため、主要目的別(通院、買い物、通勤)に目的地、移動頻度、移動手段、移動時間帯および移動方面について整理した。
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