2010 Fiscal Year Annual Research Report
撤去後行動を考慮した違法駐輪撤去システムの改善方策に関する研究
Project/Area Number |
21760401
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梶田 佳孝 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (30284532)
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Keywords | 違法駐輪 / 自転車 / 撤去行動 |
Research Abstract |
平成21年度では,違法駐輪自転車の撤去は以後の駐輪形態に一定の影響を及ぼすことを示したが,撤去された自転車の非受取者の行動については不明なままであったので,平成22年度は(1)~(3)を実施した. (1)撤去後の駐輪行動の割合の推定 非受取者の行動を含めて撤去の影響を数量的に確率で分析した.具体的には,違法駐輪の撤去と駐輪行動の関係を考察し,各行動の比率を変数として,撤去強度,受取率を用いて,「違法駐輪を繰り返す」「駐輪場を利用する」「撤去後に自転車利用をやめる」の3つの駐輪行動の割合を表わす関係式を導き,保管所,路上,駐輪場のアンケート調査結果を用いて、定数の値を推定した. (2)保管料と撤去強度(撤去の規模と頻度)に対する駐輪行動の感度 保管料と受取率に関する意識調査結果から,3つの調査の対象者に共通する支払意思を分析し,それに基づいた保管料と受取率の関係式を高い精度で推定した.これと駐輪行動の割合の関係式を用いて,保管料の増減による駐輪行動の変化を分析した.その結果,保管料の上昇とともに,違法駐輪は減少するものの,駐輪場利用者も減少し,自転車の利用をやめる人のみが増加するという傾向が得られた.この分析から,保管料の上昇は被撤去者の自転車離れを進める可能性のあることを指摘できた. (3)撤去強度と駐輪行動の関係 撤去強度と駐輪行動の関係を分析した.その結果,撤去強度を上げるに伴って,自転車非利用者は増えるものの,それ以上に駐輪場利用者が増え,それらの和の分だけ違法駐輪者が減少している.しかし,その減少幅は撤去強度よりも低いといえることがわかった.
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