2009 Fiscal Year Annual Research Report
都市のトータルデザインの実現に向けた歩行シークエンスモデルの確立
Project/Area Number |
21760403
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
星野 裕司 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (70315290)
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Keywords | トータルデザイン / シークエンスモデル / 再開発 / 歩行者 / 空間開放度 / 熊本駅 |
Research Abstract |
本研究では,現在,周辺再開発が進む熊本駅の各整備において,それらをどのように関連させるかというトータルデザインの課題に対し,整備される空間を歩く歩行者に着目して都市の誘導空間という視点から検討を行う。歩行に関する線的なシークエンスモデルとして,これまでの研究で確立した「空間開放度モデル」には二つの課題があった。一つは分析結果が抽象的でデザインツールとして使いづらいこと,もう一つは面的な都市デザインに応用するための改善が必要なことである。平成21年度は,このモデルの問題点を改善し,デザインツールとしての有用性を高めるための基礎的な作業として「シークエンス概念の再整理に基づく街並み分析手法の提案」という修士論文において研究を行った。ここでは,空間の特徴を規定する指標として「触覚的リズム」と「視覚的リズム」を定義し,実空間における分析から具体的な成果を示して,街路設計への展開の可能性を検証した。また,熊本駅周辺整備における面的な都市デザインの分析として,平成20年度に景観・デザイン研究発表会で発表した「熊本駅周辺整備における都市デザインの戦略と展開」という論文の研究を進めた。ここでは、熊本駅で取り組んでいる面的な都市デザインを目指した駅前広場,主要街路,水辺の散策路などの歩行空間の設計手法を分析した。これらの空間は,駅周辺整備における主要な整備区域であり,ここから面的な広がりを持たせるときに,新しい歩行シークエンスモデルを用いながら検証をしていく必要がある。平成22年度は,修士論文の成果などを学会発表し,モデルの展開・確立に向けて研究を進めていく。
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