2011 Fiscal Year Annual Research Report
都市のトータルデザインの実現に向けた歩行シークエンスモデルの確立
Project/Area Number |
21760403
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
星野 裕司 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (70315290)
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Keywords | トータルデザイン / シークエンスモデル / 再開発 / 歩行者 / 空間開放度 / 熊本駅 |
Research Abstract |
本研究は,平成22年度末の九州新幹線全線開業に伴う駅周辺整備の暫定形完成を対象に,同時に進められてきたいくつかの事業をどのように関連させるかというトータルデザインの課題に対して整備される空間の歩行者に着目し,都市における誘導という視点から分析を行った渉行に関する線的なシークエンスモデルとして,これまでの研究で確立した「空間開放度モデル」があり,空間の特徴を規定する指標として「触覚的リズム」と「視覚的リズム」を定義し,実空間における分析から具体的な成果を示して,街路設計への展開の可能性を検証した.一方,面的な都市デザインに応用するため,都市の賑わいと街路網との関係を面的に捉え,街路網は都市の骨格を構成するだけでなく長期的に都市に影響を与えることに着目し,SpaceSyntax理論を用いて通史的に分析することで都市の賑わいの変遷と街路網の変化の関係を導いた.また,平成23年度から本格的に利用が可能となった駅前広場については「熊本駅東口駅前広場における歩行者の滞留行動分析」において,歩行者動線とたまりの関係について,ビデオ調査を行って分析した。都市というスケールに対して全体の歩行シークエンスを網羅的に把握することは難しいため,ひとつのモデルを提示して展開する手法が考えられる.ここでは,駅前広場の歩行者の動線を観察し主要動線を導いたこと,一日のうちで滞留者の滞留地点と滞留時間の傾向を明らかにしたこと,時期別・時間帯別に滞留者の滞留地点の分布を比較したこと,滞留地点が広場全体に不規則に分布するという特性を明らかにしたことが成果であった.駅周辺整備全体が「公園のような駅」というコンセプトの元で進められており,そのモデル空間となる駅前広場での歩行シークエンスモデルの確立と検証は有用だと考える.
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Research Products
(3 results)