2011 Fiscal Year Annual Research Report
文化的資源に対する簡便な高精度3次元計測手法の開発
Project/Area Number |
21760406
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
國井 洋一 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (10459711)
|
Keywords | 文化的資源 / 3次元計測 / 写真測量 / デジタルカメラ / 精度検証 / 手法開発 / 3次元モデリング |
Research Abstract |
本研究は日本の文化的資源に対し、市販デジタルカメラ等による写真測量技術を用いて安価・簡便かつ高精度な非接触型3次元計測手法を提案するものであり、平成23年度の目標は、計測成果を3次元モデル化させるための手法を確立させることであった。モデル化の対象として、横浜の日本大通りを中心とした外国人居留地の町並みや、群落における稀少植物などを取り上げ、視覚化の実施を行った。その結果、横浜の事例においては、二時期における町並みの効率的なモデリングが達成され、両者をより簡便に比較することが可能となった。また、稀少植物の事例では野草地におけるノハラアザミの生育を対象とし、萌芽期から花期までの約半年間の経時変化を視覚的に捉えられるよう月毎の計測とモデリングを実施した。以上の二例により、モデリングの実施によって対象物体の視覚的な把握が容易なものとなり、時系列的な変化の様相も理解可能になることが確認できた。 平成21年度から開始した本研究は、平成21年度に開発、平成22年度に検証、平成23年度に応用という一連の流れで実施したものである。それらを総括すると、開発段階においては文化的資源に対する計測システムであることを第一に考慮し、不整形な物体に対してもロバストな手法開発に従事した。検証段階においては、開発システムの精度検証を他の一般機器との比較で実施し、一定の精度が得られることを確認した。応用段階においては、より多くの対象物への応用性を検証するために、前述の町並みや草本に対しての応用を実施した。以上により、本研究では文化的資源に対する計測手法として一定の成果が得られたといえるが、今後さらに応用性を高め、失われた文化財の復元などへの可能性を拡張していきたいと考えている。
|
Research Products
(4 results)