Research Abstract |
まず,世界の主要国の国公式,あるいは,港湾協会等公式機関の港湾貨物統計データを全般的に収集した.国公式統計が収集できたのは,米国,カナダ,メキシコ,ブラジル,日本,香港,台湾,韓国,マレーシア,EU,トルコ,イスラエル,メキシコ等,公的機関に港湾統計が確認されたのは,中国,フィリピン,タイ,ヴィェトナム,オーストラリア,南アフリカ等であった.シンガポールやオマーンは,全分野統計書の一部に,港湾貨物データの記載が見られた.アルゼンチン,UAE,スリランカ等は,港湾貨物統計書の存在が確認できなかった.これらの統計書について,データの定義等を確認することにより,使用における留意点をまとめた. また,昨年度ケーススタディとして収集したミャンマーの港湾統計データについて,税関統計に基づく港湾貨物量の中に,バイアスと思われる課題が確認されたことから,MPAデータや,平均的な貨物比重値等を用いて,この補正を試みた.その結果,データ・エディティングに一定の成果が得られたことから,国際学会T-Log 2010(査読付き)にて発表した.学会では,貿易統計の申告方法やデータの信頼度についての意見交換を行った. さらに,今年度のケーススタディとして,世界の海上交通の要所であるパナマの港湾統計及びパナマ運河通航統計のデータを収集すると共に,データ収集内容や統計データ作成方法について,パナマ海運庁(AMP),パナマ運河庁(ACP)及び民間ターミナルの関係者へのヒアリングを行った.AMPではマニフェストから港湾統計を作成する過程の詳細が確認できた他,ACPでは運河統計の作成方法について,貴重な情報が入手できた.
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