2009 Fiscal Year Annual Research Report
高温L-乳酸発酵を用いた未利用有機物の機能性飼料化
Project/Area Number |
21760418
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
赤尾 聡史 Tottori University, 工学研究科, 助教 (30448196)
|
Keywords | Bacillus coagulans / L-乳酸 / 発酵飼料 / 生菌剤 |
Research Abstract |
本研究は,飼料化可能な未利用有機物に高温L-乳酸発酵というアクセントを加えることで,飼料保存性と栄養分の易分解化(飼料利用性改善),付随的効果としてプロバイオティクス効果を期待して実施するものである.本年度は,高温L-乳酸発酵を実施することによる飼料保存性に着目し研究を実施した. 高温L-乳酸において発酵中およびその後の微生物群集を把握する目的でPCR-DGGE法を導入し,実際の生ごみ(廃棄後1,2日経過したもの)を材料とする高温L-乳酸発酵中の細菌群集構造(16S rDNA, EUB341f-GC, UNI518r)を把握した.その結果,乳酸菌を中心とする細菌を検出し,かつ,発酵中にDNAが消滅するもの(Lactobacillus属など)と継続して存在するもの(Leuconostoc属など)に分かれることを見出した.PCR-DGGE法で推定された菌種に対して特異プライマーを設計し,菌種特定の感度を向上させた.ただし,16S rDNAを用いた菌種推定では,検出された菌種の生死が判断できないことから,培地により個別にその生死を測る必要がある.今後は,発酵後の試料に対してPCR-DGGEを実施し,出現菌の観点から飼料保存性を評価する.飼料の易分解化に関しては,今年度は分析手法の習得に努めたが,多糖類に関して高温L-乳酸発酵におけるペクチン資化性(L-乳酸化)を確認した.アミラーゼ誘導株の探索,プロテアーゼの評価を来年度も継続して実施する.
|