2009 Fiscal Year Annual Research Report
未利用木質系バイオマスの高効率な有用資源化を目指した超低栄養生育微生物の活用
Project/Area Number |
21760421
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
志水 美文 (下村 美文) Tokyo University of Technology, 応用生物学部, 助教 (30396759)
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Keywords | 廃棄物再資源化 / 微生物 / 木質系バイオマス / 難分解有機物質 |
Research Abstract |
本研究の目的は超低栄養条件下で生育する微生物を活用して未利用バイオマスを有用資源化することである。未利用バイオマスの中でも特に木質系、廃棄物系バイオマスを栄養源として微生物による分解・変換・合成を行い、最終的にはタンパク質、ビタミン、ミネラル等の有用物質を高効率に大量生産することを目指している。 平成21年度はまず、これまで単離している酵母の基本的な増殖能力、難分解性有機物に対する分解能力について検討した。しかしながら、活性が著しく低下しているものもあり、期待していた分解能力が得られないものもあった。そこで約1年間をかけて、水再生センターの活性汚泥を分離源としてさらに菌株の単離を行った。酵母をターゲットにし、難分解性有機物質を唯一の炭素源として生育する菌株が数十株得られた。これらの単離した酵母を用いて木質系バイオマスに含まれる難分解性有機物(市販の試薬)を単一炭素源とする培地での単離菌株の増殖能力の確認を行った。その結果、特に優れた候補菌株を5つ選出した。候補菌株の同定を行った結果、子嚢菌系酵母および担子菌系酵母であることが明らかとなった。また本年度、来年度をまたぎ、実際の木質系バイオマスを用いた長期分解試験を行っている。候補菌株が木質系バイオマスの分解に現実に利用可能か判断するために、わら、おがくず等の実際の木質系バイオマスを用いた長期分解試験を並行して行っている。したがって本年度の研究により未利用バイオマスを有用資源化に向けて候補菌株の絞込みが行え、また長期分解実験により大変意義のある成果を得ることができた。
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