2010 Fiscal Year Annual Research Report
混和材を用いたセメント硬化体のイメージベースモデリング
Project/Area Number |
21760425
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
胡桃沢 清文 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (40374574)
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Keywords | コンクリート / セメント硬化体 / 微細構造 / 反射電子像 / 3次元イメージ / 拡散係数 / 混和材 |
Research Abstract |
混和材を用いたセメント硬化体の物性を予測するために、セメント硬化体の断面を反射電子像によって観察し、微細構造を各相の量とともに自己相関関数により定量化した。それらを基に各相が等方的均質にランダムに3次元空間に配置されている仮定により3次元イメージモデルを構築した。この構築した3次元イメージモデルを用いて硬化セメントペーストの拡散性能と力学的特性についてモデル化を行った。モデル化を行った結果、拡散性能については、C-S-Hの拡散係数をマイクロインデンテーション法によって測定した値から既往の研究に基づき推定した値を用いることにより硬化セメントペーストの拡散係数を予測することができた。また、C-S-Hの弾性係数を硬化セメントペーストの応力ひずみ曲線から逆解析することによって推定し、空隙率の関数として表すことが可能であることを示し、C-S-Hの破壊規準に関しては材齢、水セメント比にかかわらず約1000μであることを明らかにした。コンクリートの弾性係数及び圧縮強度に関しては骨材、モルタル及び遷移帯の弾性係数、ポアソン比、破壊エネルギー及び破壊規準を既往の研究から算出した値を用いてモデル化することにより推定することが可能であることを示した。さらにこれらの3次元イメージモデルを用いて、硬化体中の水酸化カルシウムが溶脱した際の拡散係数の上昇及び弾性係数、圧縮強度の低下を定量的に予測することが可能となった。また、溶脱がさらに進行した際の硬化セメントペーストの物性を、C-S-Hの溶脱による劣化を考慮することにより推定することが可能であることを示した。
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