2009 Fiscal Year Annual Research Report
破壊進行領域の位置標定システムを用いたコンクリートの自動圧縮破壊実験手法の高度化
Project/Area Number |
21760426
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
越川 武晃 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 助教 (10399983)
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Keywords | AE / 位置標定 / フィードバック制御 / 圧縮破壊 / コンクリート / ポストピーク / 圧縮軟化特性 / ひずみ |
Research Abstract |
本研究は、高強度コンクリートの一軸圧縮破壊実験を対象として、アコースティックエミッション(AE)計測による圧縮破壊進行領域のリアルタイム位置標定システムを構築し、このシステムを既提案の「フィードバック制御を用いたコンクリート試験体の自動圧縮破壊実験手法」に組み込んで、コンクリート試験体の最終的な破壊に至るまでの変位、ひずみ、ひずみの軸方向分布、およびAEを同時計測することによって、圧縮軟化特性の定量的評価を行うことを目的としたものである。本年度に実施した研究内容は以下のとおりである。 [1]AE計測による圧縮破壊進行領域のリアルタイム位置標定システムの構築を行った。本研究ではまずコンクリート内部の2次元的な位置標定を行うために、4つのAEセンサをコンクリート試験体表面に平面を構成するように配置してAEを計測することとした。AE発生位置の標定に関するデータ処理はPC上で行い、通常強度のコンクリートのテストピースを用いた予備実験を通してAE計測のための最適な計測条件(設定パラメータ等)について検討を行った。 [2]既提案の手法を用いたコンクリート試験体の一軸圧縮破壊実験を実施し、あわせてAEの同時計測を行った。試験体は計測・制御が比較的容易な普通強度のコンクリートで作製した。この試験体の実験結果に関する検討を行い、位置標定結果とひずみゲージによる圧縮破壊領域の測定結果におおよその対応関係が見られることが確認できた。 [3]リアルタイム位置標定システムを既提案の実験手法に組み込んだ。先の検討から、AEの位置標定結果は制御に直接反映させるほどの精度を見込めなかったことからAEは計測にとどめ、ここでは圧縮破壊領域にある複数のひずみゲージの計測値に基づいて制御を実行し得るように本実験手法における制御の基本部分に拡張を施して、既提案の実験手法とPC上で位置標定システムを統合した。
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