2010 Fiscal Year Annual Research Report
破壊進行領域の位置標定システムを用いたコンクリートの自動圧縮破壊実験手法の高度化
Project/Area Number |
21760426
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
越川 武晃 北海道大学, 大学院・工学研究院, 助教 (10399983)
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Keywords | AE / 位置標定 / フィードバック制御 / 圧縮破壊 / コンクリート / ポストピーク / 圧縮軟化特性 / ひずみ |
Research Abstract |
本研究は、高強度コンクリートの一軸圧縮破壊実験を対象として、アコースティックエミッション(AE)計測による圧縮破壊進行領域のリアルタイム位置標定システムを構築し、このシステムを既提案の「フィードバック制御を用いたコンクリート試験体の自動圧縮破壊実験手法」に組み込んで、コンクリート試験体の最終的な破壊に至るまでの変位、ひずみ、ひずみの軸方向分布、およびAEを同時計測することによって、圧縮軟化特性の定量的評価を行うことを目的としたものである。本年度に実施した研究内容は以下のとおりである。 [1]前年度の基準試験体の破壊実験で得られた知見を基にして、高強度コンクリートを含めた3種類のコンクリート試験体の一軸圧縮破壊実験を行った。拡張を施した実験手法によって、圧縮強度の異なるいずれのコンクリート試験体においても、十分に耐力が低下した段階までの圧縮軟化挙動を測定・制御可能であることが確認できた。 [2]以上で得られた実験結果を総括し、種々のコンクリートの圧縮破壊性状を定量的に評価することを目的として、コンクリートの圧縮軟化挙動のモデル化を行った。モデル化は二段階にわたって行い、まず、コンクリートの局所化現象を考慮して、実験結果における各試験体の(a)応力-ひずみ関係、(b)応力-塑性変形関係、(c)ポストピークエネルギー-塑性変形関係、の3つの関係の傾向について整理・分析し、圧縮破壊エネルギーをパラメータとする圧縮軟化曲線モデルを構築した。ついで、以上の考え方を基にさらに一段階進めて、応力-ひずみ関係におけるひずみ軟化曲線のモデルを構築した。これらは、いずれも解析に組み込み可能な形でモデル化を行ったものである。これらのモデルを本研究で実施した実験結果に適用し、各試験体の圧縮破壊エネルギーの推定を実施した。また、これらのモデルが実験結果の圧縮軟化挙動をよく再現できることを確認した。
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Research Products
(4 results)