2010 Fiscal Year Annual Research Report
耐震性の向上を目指した空間構造物の崩壊挙動予測および応答低減手法の提案
Project/Area Number |
21760427
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
熊谷 知彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (70376945)
|
Keywords | 空間構造物 / 動的崩壊挙動 / 応答低減手法 / 動的応答解析 / 振動台実験 / レベル2地震動 / 1周期コサイン波 / 加速度応答倍率 |
Research Abstract |
本研究は,空間構造物の地震時における損傷,崩壊挙動の解明,予測手法の提案および応答制御法の提案を目的としたものである。 平成22年度の実施計画は,1)数値解析によるエネルギー吸収機構を用いた空間構造物の応答低減効果の分析,2)振動実験によるエネルギー吸収機構を用いた空間構造物の応答低減効果および応答低減手法の提案であった。 1)については,当初計画していた対象構造物の屋根型円筒ラチスシェルではなく,アーチ構造物を対象として検討を行った。エネルギー吸収機構としてはパッシブ型であるTuned Mass Damper(TMD)を採用した。ここでは,TMDの設置数,設置位置等が応答低減効果に与える影響についてパラメトリックに分析した。その結果,TMD1台を設置する場合に比べ,TMD4台を分散配置する場合に広い周波数帯に対して応答低減効果を発揮し,さらに節点の負担質量を分散することができた。また,設置位置については制御対象とするモードの腹に設置することで効率の良い応答低減が可能となる。2)については,屋根型円筒ラチスシェルを対象として,粘性ダンパーを付加した場合について振動台実験を行った。ここでは、応答低減手法として下部構造にダンパーを付加し,屋根構造への入力を低減することを狙った。その結果,屋根部の応答加速度を50~70%程度に低減することができ,構造物が塑性化を伴うような大地震に対しても屋根構造を弾性域内に留めることができた。 平成23年度においても,TMDによる応答低減効果について分析を進め,また現在まで行われていない振動台実験による二方向入力に対する応答性状についても分析する予定である。
|