2010 Fiscal Year Annual Research Report
基礎地盤系の非線形周波数応答依存性に関する実験的研究
Project/Area Number |
21760428
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Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
壁谷澤 寿一 独立行政法人建築研究所, 構造研究グループ, 研究員 (10533953)
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Keywords | 地盤建物相互作用 / 基礎すべり応答性状 / 実大構造物実験 / 静的載荷実験 / 衝突載荷実験 / 基礎近傍地盤 / 非線形応答性状 / 等価粘性減衰 |
Research Abstract |
本研究では低層鉄筋コンクリート構造物が被災するレベルの応答せん断力が基礎に作用する時の地盤の非線形変形性状を検証することを目的として、2004年新潟県中越余震において建物近傍地盤と基礎位置で異なるレベルの加速度記録が観測された既存鉄筋コンクリート造構造物の直接基礎に対して、水平載荷実験を計画実施した。基礎地盤の水平剛性および耐力の非線形領域における周波数依存性を検討するため、同基礎において静的載荷実験も併せて実施した。静的実験では錘衝突位置の裏側から切り離した校舎部分を反力として梁間方向に片側単調または繰返し載荷を行い、衝突載荷実験後に衝突実験における基礎最大衝突外力を超過しない範囲で実施した。載荷は梁間方向の基礎梁をスパン中央で切出し、油圧ジャッキ、ロードセルを挿入してその間隙部から梁端間の相対変形を拡大させることによって構造物基礎根入れ部に外力を与えた。静的載荷実験では基礎が10(mm)程度変形した時点で最大基礎せん断力係数2.10を記録した。静的載荷実験時の水平初期剛性は衝突載荷実験における非線形変形性状を含んだ割線剛性よりも明らかに低い剛性が計測された。衝突および静的載荷実験結果について解析による考察を行った。地盤ばねの理論弾性剛性の算定には既往の研究における近傍地盤の標準貫入試験結果を使用した。衝突載荷実験結果における微小変形時の弾性初期剛性と剛基礎を仮定した理論基礎地盤剛性は概ね近い値を示した。また、原点と最大荷重点を基準とした割線剛性に対応する等価粘性減衰を標準的な砂礫モデルのG~γ, h~γ曲線と比較した。実験結果から推定される等価粘性減衰は砂礫モデルによる減衰定数をかなり上回るものであった。これは直接基礎の実際の減衰性状を反映した結果であると考えられる。
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Research Products
(2 results)