2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760430
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 裕一 京都大学, 工学研究科, 助教 (20293889)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / ひび割れ幅 / 性能評価 / 有限要素法 / 付着 |
Research Abstract |
実験: ひび割れ位置の局所的な鉄筋相対変位についての補足データ採取のため,4体の小型壁試験体により実験を実施した。年度当初の予定では試験部分寸法を100mm×300mm×600mmとし,載荷条件と鉄筋比を実験変数とする予定であったが,ひび割れ観測により適した設計変更を行い,260mm×260mm×60mm,および260mm×260mm×100mmの2種とした。またコンクリート材料2種(普通コンクリート,繊維補強コンクリート)を変数として,計4体を作製した。実験により,鉄筋と交差する微細なひび割れ,および曲げせん断応力に起因する大きな開口幅を有するひび割れを確認し,構築プログラムの精度検証に有効なデータを採取した。 プログラム構築: 地震等により正負繰り返し荷重を受ける鉄筋コンクリート構造物において,鉄筋とコンクリートの相対変位の算定精度が,解析全体の精度に一定の影響をおよぼす。22年度までの検証解析の結果,除荷・再載荷時の鉄筋~コンクリート間のせん断応力~相対変位モデルに改善の必要があることが判明した。 相対変位モデルの精緻化は計算量増大に結びつく恐れがあるため,モデル改良と計算量抑制を両立させる手法を構築した。具体的には多点折線によるせん断応力~相対変位関係を作成し,その解を事前に解析的に求める。この解をプログラムに導入することにより,数値的な繰返し計算を極力抑制できる。解析解はホームページで公開している(http://www.kaneko.archi.kyoto-u.ac.jp/BondSolution2012.pdf)。この方法によって,小変形から大変形までの挙動を,地震時の多大な繰返し荷重下においても最小限の計算量で必要精度を確保できると考える。 以上のプログラム改善を実施した後,前述の補足実験のデータを用いて最終的な解析精度の検証を行った。
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Research Products
(2 results)