2009 Fiscal Year Annual Research Report
PCaコンクリート外壁に適用するファスナー型摩擦ダンパーの減衰力に関する実験研究
Project/Area Number |
21760435
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉岡 智和 Kyushu University, 芸術工学研究院, 准教授 (40304852)
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Keywords | 制震壁 / 摩擦ダンパー / プレキャストカーテンウォール |
Research Abstract |
PCaコンクリート外壁ダンパーの開発を目指し,ファスナー型鋼-コンクリート圧着型摩擦ダンパーの性能を把握するため,そのフアスナー部を模擬した要素試験体を用い,地震時応答をシミュレートする動的すべり実験を行った。 要素試験体は,コンクリート壁板(軽量1種コンクリート),長孔付きファスナープレート(SS400, PL12),コンクリート座金(摺動材,早強コンクリート)を,コンクリート壁板に機械式定着した普通ボルトM24で締め付けた。実験変数として,コンクリート壁板の平滑さ=木製型枠脱型面,金こて押さえ下ずり面,同仕上げずり面の3種類,ボルト張力=25, 37.5, 50kNの3種類,ファスナープレートの表面処理=未処理(黒皮スケール未除去,未発錆),亜鉛メッキの2種類を設定し,木製型枠脱型面・ボルト張力25kN・表面未処理ファスナーを基準として6つ試験グループを計画した。1つを除きグループ毎にボルト締付部に皿ばね座金を挿入したものを3体,なしのものを1体用意し,総計23体の実験を行った。 実験の結果,皿ばね座金を挿入した基準グループのすべり係数(=摩擦力/初期ボルト張力)の平均値は0.92であった。一方,皿ばね座金を付加した場合にはコンクリート壁板の平滑さに係わらず0.9前後のすべり係数を発揮した。初期ボルト張力が37.5, 50kNと大きくなるとすべり係数の平均値は0.86, 0.78と低下した。亜鉛メッキファスナープレートを用いた場合のすべり係数の平均値は0.67となった。
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