2009 Fiscal Year Annual Research Report
シングルデッキ型浮屋根を有する円筒液体貯槽の非線形スロッシング解析
Project/Area Number |
21760436
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山本 憲司 Kagoshima University, 理工学研究科(工学系), 助教 (70311884)
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Keywords | シングルデッキ / 浮屋根 / 液体貯槽 / スロッシング / 円筒タンク |
Research Abstract |
本研究は流体と弾性体の非線形相互作用問題の定式と計算プログラムの作成し、2003年の十勝沖地震で被災したシングルデッキ型浮屋根式石油タンクの地震応答解析を行い、力学挙動について調査した。研究成果として、現在までに次のことを明らかにした。 1. 著者らが既報で提案している完全流体における非線形スロッシングの有限要素解析法を拡張し、浮屋根弾性体との相互作用問題の定式化を行った。定式化は変分原理に基づいており、この方法を用いることで煩雑になりがちなこの問題の非線形釣合式を簡潔に導出可能であることがわかった。 2. 十勝沖地震において被災した10万kl級タンクと同規模の数値解析モデルを設定し、提案手法を用いて地震応答解析を行った。その結果、浮屋根の二次モード(周方向1次、半径方向2次のモード)の振幅が大きくなるにつれ、周方向3次、半径方向1次の振動モードが生起し、ポンツーンが破壊するほどの大きな面外曲げモーメントを発生した。これらのモードの固有周期は比較的近く、浮屋根の幾何学的非線形性によって高次モードが生起し、浮屋根に過大な応力が生じる可能性があることが分かった。 この他、3万kl級タンクなど他のモデルの応答解析では1次モードによる浮屋根の変位が非常に大きく、ポンツーンのモデル化に用いる梁要素に有限回転を考慮していない為、ポンツーンの応答を適切に評価できない場合があること旨が分かった。この為、新たに有限回転を考慮した梁要素の定式化を行い、浮屋根に大きな変位を生じた場合でも応答評価が可能であるようにプログラムの修正を行った。今後は、このプログラムを用いて様々なモデルの挙動について詳細に調査していく予定である。
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Research Products
(2 results)