2010 Fiscal Year Annual Research Report
シングルデッキ型浮屋根を有する円筒液体貯槽の非線形スロッシング解析
Project/Area Number |
21760436
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山本 憲司 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 助教 (70311884)
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Keywords | シングルデッキ / 浮屋根 / スロッシング / ポンツーン / 楕円化変形 / 石油タンク |
Research Abstract |
2003年の十勝沖地震では、石油タンクの浮屋根がスロッシングにより被害を受けた。危険物保安技術協会の報告書ではその原因のひとつとして二次モード共振時のポンツーンの楕円化変形を挙げている。また、これらの応答に対する簡便な評価式も同時に提案している。2005年の消防法告示改正の際には、消防庁からの通知にこの強度評価式が同時に示されている。 この強度評価式は汎用の有限要素解析ソフトの解析結果に基づいて作成されているが、これまでに浮屋根の非線形挙動を解析した例は数が少ない為、その妥当性については十分な裏付けがあるわけではない。 シングルデッキ型浮屋根式タンクの解析手法を提案し、この手法を用いてポンツーンの楕円化挙動を調査した。強度評価式から算定されるポンツーン応力と提案手法による結果との比較を行い、異なるモデル化や数値解法の立場から強度評価式の妥当性について検証を行った。その結果、以下のことが分かった。 1. デッキ面外変形量とポンツーン半径方向変形量の関係について、本解析ではポンツーン半径方向変形量は強度評価式で仮定される値の1/2程度となった。本結果が妥当である場合、強度評価式は安全側の評価となる。 2. ポンツーンの面内曲げモーメントの分布に関して、強度評価式で仮定される分布と、解析結果とに違いが見られた。特に、数値解析では加振方向に対し90度位置でモーメントが強度評価式の2~4倍程度大きな値を示した。本結果が妥当である場合、強度評価式は危険側の評価となるため、注意が必要である。 3. 二次モードの線形応答に対する非線形応答の低減効果は、強度評価式で仮定される関係の半分程度となった。本結果が妥当である場合、強度評価式は危険側の評価となるため、注意が必要である。
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Research Products
(3 results)