2009 Fiscal Year Annual Research Report
建物複層間に設置するセミアクティブダンパーによる地震応答制御に関する研究
Project/Area Number |
21760437
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
菅野 秀人 Akita Prefectural University, システム科学技術学部, 助教 (20336449)
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Keywords | 地震応答 / セミアクティブ制御 / 曲げせん断振動モデル |
Research Abstract |
本研究では,建物の複層間に跨って接続される制震ダンパーによる地震応答低減効果について検討を行い,比較的少ないダンパー量と小さい断面の支持部材を用いてより合理的な地震応答低減手法について提案することを目的とする。平成21年度はまずその実験対象となる曲げせん断模型の検討を行った。模型は5層の骨組で全体高さは1518mmであり,各層の重量は約17~23kgとなっている。試験体は各層とも1枚の曲げ板と各層の回転変位を拘束する2枚の拘束バネで構成された振動モデルである。制震ダンパーを複層間に跨って接続することを想定した解析的検討を行うにあたり,建物部の解析モデルの妥当性を検証するため,振動実験を行った。実験を行った結果,概ね実験結果をシミュレートできることを確認した。しかし曲げ変形成分が大きくなるよう場合,今回の解析モデルでは実験結果を十分に再現できないことが確認された。これは回転拘束バネの剛性の評価に起因するものと考えられるため,次年度以降に再検討を行う。また本研究では地震応答制御方法として,ダンパーの履歴形状を建物の応答に応じて特性を制御するセミアクティブ制御を提案する。本年度は各層に可変ダンパーを設置した場合を予備解析として検討した。制御においてダンパーの減衰力の大きさを決める制御係数について,本建物のような曲げせん断モデルの各層にどのように配分するかが問題となり,次年度への課題として残された。また次年度に行う本モデルにダンパーを取り付けたセミアクティブ制御実験の計画として,ダンパーを取付ける治具の検討を行った。
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